2010年10月16日

10月6日、天声人語のいやらしさ

10月6日、朝日新聞の天声人語がひどい、というコメントをラジオで聞いた。しゃべったのは上杉隆氏。僕自身は新聞読まないテレビ見ないと決めたので読んでなかった。今日、切り抜きを持って来てくれた人がいて、さっき全文を読んでなるほど、と思った。
書いた人は、どんなにか高いところから狭い範囲を見下ろしているんだろう、というのが全体の印象。ひどい、と言ってしまえばそれまでなのだけど、具体的にどうなのか、いやいや書いてみようと思った次第。

「起訴された小沢一郎氏は涙した、と報じられた。「これは権力闘争だ」と。だが、起訴を決めたのは権力とは無縁の、氏が言う素人である。公開の法廷で決着させたいという素朴な感覚に、<闘争>の計画やねちっこさはない。
国会での説明をさけてきた小沢氏は自業自得であろう。堂々と証人喚問に応じていれば、「素人」の心証も違ったはずだ。いやしくも政治家ならば、お白州の前にじゅうたんの上で説明責任を果たしてはどうか。」

* 素人には補助弁護士がついている。補助弁護士による素人への説明が公開されていないので、どのような説明がなされたのか分からない。それによっては誘導された可能性もある。小沢氏への批判に説明責任というのがある。しかし、小沢氏は記者クラブメディアだけではなく広くフリーのジャーナリストにも公開した会見を幾度も開いていた。当然のことながら朝日新聞も参加していた。その内容をちゃんと報道してれば、素人の心証も違ったはずじゃないか。重ねて言うなら、心証で起訴が決められたらかなわない。

「立つ瀬がないのは検察だ。郵便不正事件では、無理を重ねて無実の民を起訴した愚を問われた。こんどは不起訴の判断を、こんどは不起訴の判断を、平均31才の検察審査会に「有罪の可能性があるのに不当」とやられた。幹部は「好きにやってくれ」とやけのやんぱちである。推定無罪とは言うが、一般公務員は起訴されたら休職となる。郵便不正事件で不当逮捕された村木厚子さんは、5ヶ月も自由そ奪われ、復職までの1年3ヶ月を無駄にした。立法という究極の公務に携わる小沢氏も、「政治休職」するのが筋だ。」

* このあたりが特別にひどい。新聞は「不当逮捕された村木さんが5ヶ月も自由を奪われた」ことこそを問題にするべきじゃないのか?村木さんが無実にもかかわらず復職までに1年3ヶ月を無駄にしたんだから小沢氏が政治休職するのが筋、なんて、こんな理屈がどこにあるのか、おまえばかか!と言いたい気分だけど我慢することにした。天声人語にとって間の悪いことに、31才に注意されてやけのやんぱちのはずが、31才自体がおかしな数字になりつつある。

「昨日の各紙社説は、本誌と産経が議員辞職を求めたほか、毎日が「自ら身を引け」、日経が「最低でも離党を」、読売も「政治責任は重い」と氏に辛い。マスコミだけが世論とは思わないが、今さら「闘争」でもないだろう。この日本にそんな余裕はない。思えば、民主党の代表と首相になりそこねたのは、国民にとっても小沢氏にとっても幸いだった。景気に予算、対中関係、ねじれ国会、このうえ裁判対策ときては、国も体ももつまい。潮時である。」

* 新聞、それに寄り添ってるテレビは、日本にそんな余裕はないはずなのに「叩いては世論調査」を繰り返して来た。議員辞職の根拠はいったいなんだんだろう?正論を一回も聞いたことがない。新聞社に属していながらテレビでコメントする人から、本当に一回も根拠を聞いた事がない。一体、容疑はなんなのか?これまでは修正ですんでたのが、何故、小沢氏関連だけが重罪(毎日の岸井成格氏がそのように発言)と言われなければいけないのか?聞いたことがないよ。「マスコミだけが世論とは思わないが、今さら、闘争でもないだろう。」なんて、つながりが分からん。個人的には闘争してくれないと困るし。

*「お白州」とか「潮時である」とか。
どこまで上から目線で見下ろせば気がすむんだろう、と思う。書いた人は、自分がどんなに高いところに登っているのか気がついてないと想像する。しかし、これは8月27日の朝日新聞社説<小沢氏出馬へ−あいた口がふさがらない>と同じだ。以下に少し引用する。見下ろし方角が同じだと分かる。

「どうしてここまで民意とかけはなれたことができるのか。多くの国民が、あぜんとしているに違いない。民主党の小沢一郎前幹事長が、党代表選に立候補する意向を表明した。政治とカネの問題で「責任を痛感した」と、幹事長を辞して3カ月もたっていない。この間、小沢氏は問題にけじめをつけたのか。答えは否である。いまだ国会で説明もせず、検察審査会で起訴相当の議決を受け、2度目の議決を待つ立場にある。鳩山由紀夫前首相にも、あきれる。小沢氏率いる自由党との合併の経緯から、この代表選で小沢氏を支持することが「大義だ」と語った。「互いに責めを果たす」とダブル辞任したことを、もう忘れたのか。二人のこのありさまは非常識を通り越して、こっけいですらある。、、、」

*ああ、なんという一方的な開いたまま塞がらない口。

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2010年06月12日

世の中のおばちゃんの大半は小沢は西松から4億円を貰って世田谷の土地を取得したと思ってますよ。

菅直人が首相に指名された次の日曜日。
TBSテレビでは、朝から一列に並んだコメントする人たちが、政治とかね、政治とかね、政治とかね、政治とかね、と復唱してる。バカだから言ってる人、分かってるのに言ってる人、立場上言ってる人、自分の金問題を棚にしまって言ってる人、色々だけど、政治とかね、と言わない人は番組に出演できないのかもしれないとさえ思います。
さて、6月8日、<なぜ小鳩政権は沈没したのか。この国を支配しているのは誰なのか。>をテーマでシンポジュームが行われ、それがustream中継されました。メンバーは石川知裕(衆議院議員・無所属)魚住昭(ジャーナリスト)郷原信郎(弁護士)佐藤優(作家)田原総一朗(ジャーナリスト)宮崎学(作家)安田好弘(弁護士)二木啓孝(ジャーナリスト)大谷昭宏(ジャーナリスト)。その中で、郷原信郎がこんなことを言っています。聞き書きしました。

「この一年3ヶ月の間、いろんな場でいろんな事を言ってきました。検察のやってることは考えられない、おかしい、と言って来た事を、トータルでどれほどみんなの意識に残ったのか不安に思っています。というのは、この前、twitterで印象的なことを書いてた人がいて<世の中のおばちゃんの大半は小沢は西松から4億円を貰って世田谷の土地を取得したと思ってますよ。>という話があって、たしかにそうかもしれない、この1年3ヶ月の間に起きたことを正確に整理できてる人はあまりいないのかなと思いました。(検察の対応を)一つ一つを見てみると、少なくとも西松建設は意図的なものじゃなのかったんじゃないか、他にやりようがなくて法律的にも解釈上非常に難しい事件に無理矢理突っ込んだ。これは世の中に評価されず中途半端に終わったために、去年の秋から、明確な意図をもってなんとかして小沢という政治家にリベンジをしようということで、世田谷の不動が取得を政治資金違反としてとらえるということをずっとやってきた。こちらの方がマスコミとの関係も西松事件と比べると手が込んでる。例えば、石川さんが5000万円もらったという話も、なんとなくその話の出方が、実際の逮捕容疑になってる事実にはぴんとこないのでうまく悪質性を脚色できるタイミングで5000万の裏金として報じられてきて、そういった雰囲気を醸し出してる中で石川さんが逮捕されることとなり、その時から石川さんの逮捕が忘れらていくんですね、、、そして世の中の感心がどんどん小沢さんに向かったいく。そのうち小沢さんがなんで調べられてるのかもぼけてきて、結局、みんあの頭の中に残ったのが、金に汚い政治家、悪い奴だという印象づけられた。それが今回の鳩山首相の辞任と一緒に小沢さんが辞任するのに繋がったわけで、これまでマスコミと検察がやってきたことが成功してるのかなという気がしてきて、これから先に日本の政治とか日本の社会にどうい状況ををもたらすのか、政治と検察の関係にどういう影響をもたらすのか、心配しています。」

郷原twitterに書き込んだのは友達のWです。Wとはよくこんな話をしていますが、世の中の結論は、西松建事件(大久保被告逮捕される。小沢の天の声等、色々言われたが、結局は虚偽記載、普通なら修正して解決)と水谷建設事件(石川議員逮捕、水谷建設の会長より裏金を受け取った疑惑。世田谷の土地購入で、政治資金規正法違反。TBSのニュースで再現フィルムと作って放映したが、本人否定。水谷の会長は、福島県知事の佐藤栄作久が逮捕された時も嘘の証言をした。小沢は起訴されなかったものの、しかし検察審査会では、記載した期日が2ヶ月と少しずれてた、いわゆる記ずれで起訴相当とされた、これは検察が小沢起訴を狙ってた理由とは全く違う)と陸山会の土地購入をごっちゃにして、単純な、小沢は悪い奴というストーリーにしてしまったというわけです。

さて専門家の目を通すと、今までもやもやとしてのが、急にクリアに見えるようになると思わされたことがありました。
細野佑二という公認会計士のレポート。郷原弁護士から、専門家の目には、小沢事務所の会計処理はどう見えるのか分析して欲しいと以来を受けての論文です。細野佑二自身、現在、最高裁で係争中の問題を抱えています。彼がどういう状態でこの論文を書いたのか、大切な部分なので、彼自身の事件のあらましをマル激トークオンデマンドから引用します。

公認会計士の細野祐二氏は、顧問を務める害虫駆除会社「キャッツ」の粉飾決算に関与した容疑で、04年、東京地検特捜部に逮捕された。これに対し細野氏は、「適法な会計処理だった」と無実を訴え、検察の調書へのサインを拒否し続けた。その結果、細野氏の勾留は190日間に及んだ。細野氏が勾留されている間、同時に逮捕されたキャッツ社長以下会社関係者は一様に細野氏の共謀を証言したため、東京地裁は細野氏の粉飾への関与を認定し、懲役2年執行猶予4年の有罪判決を下した。しかし、一審判決後、ようやく釈放された細野氏が会社役員等に証言の内容を質して回ったところ、いずれも検察が用意したストーリーに沿った嘘の証言をさせられていたことを知る。検察は減刑などの恩恵をちらつかせて、嘘の証言をさせていたと言うのだ。細野氏の控訴審では、既に細野氏以外の裁判は刑が確定していたため、関係者は一様に一審の証言を覆し、細野氏の関与を否定した。そのため一審で有罪の根拠となった証拠は、ことごとく否定されていた。一審で検察と取引をした会社幹部らが、細野氏に不利な証言をするために40回以上ものリハーサルを検察にやらされていた事実までが浮かび上がった。しかし、高裁は細野氏の控訴を棄却した。

マル激でのインタービューはこちらhttp://www.videonews.com/asx/interviews/100219_hosono_300.asxで見ることができます。胸を打たれる内容なので、是非、ご覧下さい。

細野佑二レポートを読んで、多くの人が目から鱗が落ちたような気分、と言っています。。ボクの気分は、鱗が落ちて、今、世の中で報道されてるのがここまでいいかげんな内容なのか、と力が抜けそうになりました。実は、新聞もテレビも、その中で発言してるコメンテーターも解説委員も元検事も、例えば、朝日新聞の星浩も毎日の岸井 成格も基本的なことが分かってないで、グレーグレーと言ってたんじゃないか、と思ったからです。政治資金収支報告は部分単式簿記だったという事実。単式簿記はお小遣い帳みたいなもの。政治資金規正法はダメな法律で、帳簿に正確に記入したとしても、いくらでも逃げ道のある法律なのです。本来なら複式簿記にすべきなのに単式にしてるのですから、会計士の目で見ると、今の政治資金規正法で小沢一郎を問題にするのはおかしい、ということらしいのです。それなら、何故、小沢一郎だけをターゲットにしたのか。西松建設の政治団体から政治資金を受け取ったのは自民党で9人、民主党で2人。そのうち1〜2人は話題には上ったものの、今ではすっかり忘れられています。ほとんどの議員が説明責任をはたすどころか何もコメントしていません。小沢一郎が何者だろうが大物だろうが、なんとなく悪い権力者のイメージがあろうが、そんなことで区別する理由にはなりません。やるなら、国会議員全員を調査して白黒つかなかったらグレーグレーと言うべきなのです。小泉純一郎の息子は政治資金を合法的に贈与税を払わずそっくり引き継いでるのに、道義的な責任はないんでしょうか?さて、論文(http://www.comp-c.co.jp/pdf/report20103.pdf)を読んでいただくのが一番なのですが、一部を引用させてもらいます。

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年明け以降一月間余りのメディアを席巻した小沢一郎民主党幹事長の政治資金規正法違反疑惑に、検察側からの回答が2月4日に出された。嫌疑不十分による不起訴処分である。事件の容疑で既に逮捕されていた小沢氏の元秘書で衆議院議員の石川知裕容疑者(36)、公設第一秘書の大久保隆規容疑者(48)、元私設秘書の池田光智容疑者(32)の三名は、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で起訴されたが、翌5日には全員が保釈保証金を積んで保釈された。この大騒動は小沢一郎対地検特捜部の因縁対決と位置づけられ、
<小沢氏の出した4億円にゼネコンからの裏金が入っていたのではないか>、とか、< 特捜検察が捜査情報をマスコミにリークして世論誘導を行っているのではないか>などといった風評が新聞紙上に乱れ飛ぶ事態となった。新聞だけを見ていると、たちの悪いゼネコンからの贈収賄事件かと見紛うばかりであるが、ここでよくよく冷静に起訴事実を見てみれば、容疑は政治資金規正法違反(虚偽記入)となっている。事件では、単に政治資金収支報告書に対する虚偽記載が問題とされているに過ぎないのである。
ところで、政治資金収支報告書とは政治団体の収支に関する会計報告なのであるから、本来であれば、政治団体の収支の事実に基づく会計処理こそがここで問題とされなくてはならない。ところが、これだけ膨大なマスコミ論評の中で、会計処理の是非を論じたものなどただの一つも見たことがない。会計を論じることなく、よってたかってその会計報告書の是非だけを騒ぎ立てているのである。見るに見かねて已む無く、小沢一郎民主党幹事長の政治資金規正法違反疑惑の会計的分析を行なう。
新聞報道によると、石川議員は、大久保秘書らと共謀し、小沢一郎氏の政治団体である陸山会の2004年の政治資金収支報告書に、小沢氏からの借入金4億円、土地購入代金の支出約3億5200万円などを記載せず、収支総額に虚偽の記入をしたとされ、これが起訴事実となっている。そこで、起訴事実をめぐる資金移動を時系列に即して要約すると次の通りとなる。念のために言っておくと、現時点において証拠上明らかに認定できる事実は、これ以上でも以下でもない。
@ 石川議員は、2004年10月上旬、土地購入のため小沢氏から現金4億円を受領した。この中から、土地の手付金1千万円を支払い、残りは同月中旬以降、陸山会の複数の銀行口座に入金した後、一つの口座に集約した。
A 陸山会は2004年10月29日午前、東京都世田谷区の宅地を3億5千万円で購入した。
B 2004年10月29日の土地代金支払の数時間後、石川議員は、他の小沢氏関連の政治団体から陸山会に合計1億8千万円を移し、残っていた資金と合わせて陸山会名義で4億円の定期預金を組んだ。
C 小沢氏は、この定期預金を担保に個人名義で銀行から4億円の融資を受け、同額を陸山会に貸し付けた。
D 2007年に、陸山会は定期預金を解約し、4億円は小沢氏に返済された。
政治資金収支報告書の虚偽記載というのであるから、本来であれば、この資金移動の事実をどのように政治資金収支報告書に記載しなければならないかという会計上の正解がなくてはならないが、実はこれがない。信じがたいかもしれないが、検察官も正解を持っていない。なぜなら、現行の政治資金収支報告書では、単式簿記を前提とした部分的な会計報告書の作成が義務付けられているに過ぎないからである。部分単式簿記においては、その記載範囲は自立的に決定できない。完全複式簿記であればここでの資金移動に対する会計処理は単一となるが、部分単式簿記では複数の会計処理が可能なのである。現行の政治資金規正法は部分単式簿記による複数会計処理の並存を認め、報告書における作成者の裁量余地を大きく残している。基準上裁量権の認められた会計処理に対して虚偽記載を主張するのは、一方の見解を強要することにより裁量権を否定するに等しく、これを無理して立件するのを国策捜査という。
(中略)
一連の資金移動で最大の鍵を握るのは、2004年10月上旬に行われたとされる小沢氏から石川議員に対する4億円の現金の
受渡しの会計処理にある。小沢氏の説明によれば、この金は、陸山会が東京都世田谷区の土地を購入するに際して当座の資
金がなかったので、自分が一時用立てたものとのことである。事実としてこの現金授受には金銭消費貸借契約書も作成されていなければ、返済期間や金利の定めも一切なされていない。会計上、資金移動の最終形態が定まらないまま行われた資金移動は仮払金・仮受金として会計処理される。ならばこの4億円についての陸山会側の会計処理は仮受金でなくてはならない。ここで、政治資金規正法上、仮受金は政治資金収支報告書上の記載項目ではないので、陸山会の会計責任者としての石川議員は、この現金受領の会計処理を行なう必要がない。

さて、陸山会は2004年10月29日午前、東京都世田谷区の宅地を3億5千万円で購入し、その土地代金支払の数時間後、石川議員は、他の小沢氏関連の政治団体から陸山会に合計1億8千万円を移し、残っていた資金と合わせて陸山会名義で4億円の定期預金を組んだ。そして、小沢氏は、この定期預金を担保に個人名義で銀行から4億円の融資を受け、同額を陸山会に貸し付けたという。
小沢氏は4億円を陸山会に貸付けたと言うのであるから、そのときの4億円は小沢氏の金だったはずで、だから定期預金を担保にしてその4億円を銀行から借りたのも小沢氏である。そうすると、小沢氏が担保にした定期預金は一体誰ものかということになるが、ここで小沢氏は政治団体名義の定期預金をさも自分のもののようにして銀行担保に差し出し、借りた金はしっかりと自分の金にして政治団体に貸付けている。このことから、小沢氏がこの定期預金が実質的には自分のものだと思っていたことが分かる。そして石川議員もまた、この小沢氏の言動に何の疑問も抱いていないのであるから、政治団体側も、定期預金は実質的には小沢氏のものだと認識していたことになる。ならば、陸山会は、あの10月初旬に小沢氏から用立ててもらった4億円の仮受金を、この定期預金で決済(返済)したことになるではないか。

もとより仮受金は最終形態が未確定な資金移動を暫定的に処理する管理会計上の会計科目なのであるから、当然に短期間に決済されることが期待されている。この取引は、小沢氏の定期預金担保による銀行借入れに際して、陸山会の定期預金による仮受金の決済取引が行われたと解釈するのが相当であり、そのとおりに会計処理がなされなくてはならない。

ところで、石川議員は、4億円の定期預金による仮受金の決済取引を会計処理していない。仮受金そのものに政治資金収支報告書上の記載義務がないのであるから、その決済取引もまた記載する必要がないからである。そこで石川議員は、小沢氏が、定期預金担保融資後に改めて貸付けた4億円を、ここで初めて借入金として政治資金収支報告書に計上することになる。100万円超の借入金には政治資金報告書上の記載義務があるからである。石川議員の会計処理は現行の政治資金規正法の定めにまことに忠実で、部分単式簿記上、これを非難する事はできない。

この報告書を見ると、小沢氏からの借入金4億円は平成16年の資金収支報告書の収入の部に見事に計上され、また、同年の特定資産・借入明細書には「借入金−小沢一郎」として記載されている。一方、世田谷区の宅地は、平成17年の特定資産・借入明細書に342百万円として記載されるとともに、同年の資金収支報告書中の事務所費415百万円の一部を構成している。
ここで不思議なことがある。例の小沢氏からの4億円の仮受金は陸山会の組んだ同額の定期預金で決済されたことになるにもかかわらず、そのあるはずのない定期預金が陸山会の特定資産・借入金明細書に計上されてしまっているのである。陸山会の平成16年の特定資産・借入金明細には、この年度の定期預金残高として4億7150万円が計上されている。
これが複式簿記を知らない(中途半端に)まじめな人の悲しいところで、石川議員は例の小沢氏からの仮受金をせっかく定期預金で返済して簿外化したにもかかわらず、年が代わって平成16年の政治資金収支報告書を作成する段になり、定期預金が陸山会のままで名義変更されていないことにハタと気がつき、これはマズイとばかりに、政治資金収支報告書に定期預金を計上してしまったのである。
小沢氏の個人資産を政治団体の資産として計上するというのであるから、当然のことながら政治団体の資産は4億円分だけ過大計上されて貸借が合わない。そこで、たまたま問題の世田谷の宅地の登記が12月末に間に合わなかったことを思い出し、ならばこちらも4億円近いので、定期預金をこの年度に計上する代わりに不動産を翌年回しにしておけばちょうど辻褄が合うと考えたのではないか?見よ。石川議員の経理処理は翌平成17年以降に見事に辻褄が合い、平成17年に4億円の事務所費が計上されるや、平成17年と平成18年にかけて4億円の定期預金は消滅している。

ここで石川議員に会計上の正解をお教えしておくと、小沢氏からの仮受金4億円が陸山会
の定期預金により決済されているのであれば、定期預金の名義にかかわらず、この定期預金は実質的に小沢氏のものなのであり、実質的他人所有の資産は政治資金収支報告書に記載する必要はない。4億円の仮受金が簿外となった以上、この定期預金も簿外にしておけばよかったのである。そうしておけば、定期預金が満期になる都度、銀行が自動的に借入金と相殺してくれるので、石川議員もややこしい事務所費との遣り繰りなどしなくて済んだ。何よりも、こんなどうでもいいことを問い詰められ、その答えに窮するあまりまさか逮捕されることもなかった。

さて、石川議員の政治資金収支報告書作成をめぐる舞台裏が理解できたが、このことから我々は、二つの決定的な事実を知ることができる。石川議員は会計の基礎理解が決定的に欠けており、従って、石川議員に政治資金収支報告書虚偽記載の犯意を認定する事はできない。刑法上、罪を犯す意思がない行為はこれを罰することができない。(刑法第38条第1項)

ところでこの政治資金収支報告書における不動産は342百万円の取得価額として計上されており、これは実際の購入対価352百万円と10百万円合わない。10月初旬に10百万円の手付金を4億円の現金の中から支払ったためで、ここで4億円の仮受金が政治資金収支報告書上簿外となる以上、そこから支払われた手付金もまた簿外とならざるを得ないからである。簿外の仮受金から支払われた前渡金は、政治資金規正法による単式簿記では、固定資産の取得原価を構成しないことになってしまう。また、借入が平成16年で、宅地取得年度の平成17年とずれているのは、購入した不動産の登記が遅れたためとのことであり、こんな事は実務上よくあることで、だからと言ってこれが部分単式簿記上の問題となることはない。

さて、ここで起訴事実は、
「陸山会の2004年の政治資金収支報告書に、小沢氏からの借入金4億円、土地購入代金の支出約3億5200万円などを記載せず」
となっているのであるから、検察官の主張は次の2点に集約される。
・ 平成16年の資金収支報告書においては、小沢氏からの仮受金4億円を借入金として計上すべきであった
・ 平成17年の資金収支報告書に計上された世田谷の宅地の取得は、平成16年の資金収支報告書に計上されるべきであった平成16年の資金収支報告書には、小沢氏からの4億円が借入金としてしっかり計上されているのだから、検察官は、この4億円とは別の、例の4億円の仮受金を問題としている。

仮受金ではなく借入金だと言うのである。そんなことをすれば、この年の小沢氏からの借入金は8億円になってしまう。あの時は、同じ4億円が陸山会の周りをグルグル回っていたに過ぎないのであり、金が回転したからといって4億円の借入金が8億円に化けることなどあり得ない。既に論証したごとく、10月上旬の小沢氏からの4億円の現金受領は会計上の仮受金であり、仮受金は、現行の政治資金収支報告書上簿外とせざるをえない。これが法律上認められた部分単式簿記の限界なのであり、なく子も黙る東京地検特捜部といえども、ここに完全複式簿記の正義を押し付ける事はできない。

そこで検察官は、“4億円の現金があって不動産の購入資金が賄えるのに、なぜ利息を払ってまでわざわざ4億円の銀行借入をするのか”と疑問を呈する。

「それは、この現金が人には言えないいかがわしいものだからに違いなく、きっとそこにはゼネコンからの裏献金が含まれているに違いない。宅地の登記を遅らせたのも、4億円の裏金が表に出せないからで、平成16年の4億円の入金が表に出せない以上、同じ年の3億5千万円の出金も表に出せるはずがない。」

これを邪推に基づく妄想という。検察庁特捜部の妄想は、5千万円の裏献金という供述を水谷建設から引き出したが、裏づけとなる客観証拠がついてこず、これでは公判維持可能な証拠にはならない。仮釈放に足摺りする服役中の水谷建設幹部をシバキ上げてとった苦心の供述なのであろうが、特捜検察も、莫大な国費を使って無意味なことはやめたほうがいい。

もとより、不動産の購入資金があったからといって、それを使ってしまえば運転資金が枯渇するのであれば、どんな人でも借入れをしたいと思う。ここで支払われる利息など運転資金枯渇の恐怖に比べればものの数には入らない。運転資金確保のために利息を払っても借入をするというのは、きわめてまともな事業の常識なのであり、小沢氏は事業家としての常識をもって政治活動を行なっていたに過ぎない。そんな常識的借入に対して、「利息を損してまで借入をするのはおかしい」などと言いがかりをつけているのは、手厚い身分保障に生きる検察官には運転資金枯渇の恐怖が理解できないからで、ただそれだけのことであろう。

この事件の資金移動を会計的に分析する限り、石川議員以下の3名の被告人は証拠構造上圧倒的に有利であり、それどころか、政治資金規正法が部分単式簿記を前提としている以上、ここには犯罪事実そのものが存在しない。検察庁特捜部は、「この手の事件では捜査はどうしても供述中心にならざるを得ない。」などと意味不明の訳の分からないことを言っては、現職国会議員を国会会期直前に逮捕した。外部との接触を一切遮断した密室に21日間も監禁して朝から晩まで攻め立てれば、事実にかかわらず人は自白調書に署名する。足利事件で明らかとなったように、日本の捜査機関による取調べ技術をもってすれば、人を殺してなくとも、「殺したのは実は私です」などと、立派な自白調書が出来上がるのである。

当然のことのように石川議員以下3名は政治資金収支報告書の虚偽記載を認め、本件は自白事件として処理されることになった。石川議員たちが犯罪事実の存在しない自白調書に署名したのは、そうしなければ何時までたっても保釈が認められないからで、従って、公判が始まれば自白を翻すに決まっている。

ただし、残念ながら、今後の石川議員の裁判において無罪判決が出る可能性は悲しいほど少ないと考えなくてはならない。部分単式簿記による会計数値という客観証拠と矛盾していても、現行司法では検察官面前調書による自白には、なぜかほぼ絶対的な信用力を認められることになっているからである。石川議員はあの密室で取られた自白調書の嘘を自ら公判で立証するという、まさに前人未到とも言うべき難行に挑まなくてはならない。
、、、、、、、、、

さてさて
菅直人の首相会見を聞きました。余談ですが、記者会見をオープンにするか、という上杉隆の質問にたいして、「ドゴール大統領は会見をあまり開かなかったがオープンじゃないとは言えない」、といつの時代のことを例にだしているんだろうと思うような答え、あとは「むにゃむにゃむにゃ」。官房機密費とジャーナリスト問題を岩上安身に質問され、「これはメディアの問題でもあるので、そちらも考えるべきだし、むにゃむにゃむにゃ、、、」と何を言ってるんだから分からないすれ違い答弁(ぷんぷん)。メディアの問題じゃなく税金の使い方の問題でしょうが。(ついでに、この岩上の質問は、例えば読売新聞ではいっさい削除されているそうです。さすが読売。)小沢一郎と鳩山由紀夫の辞任は、政治とかね、を理由にしています。2人がいなくなって民主党のイメージがよくなればいい、と思ってるんだったら大きな間違いの第一歩を踏み出したように思います。検察問題は立ち消えになるんでしょうか。可視化はどうなるんでしょう。基本的人権である情報公開は?問題をぶつけられてすれ違い答弁をするようでは、なんのために市民運動家から首相にまでなったのですか?と中途半端な首相の誕生にがっくりしました。
posted by joem at 00:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月03日

TBSラジオpodcastの不思議な放送

TBSラジオ、きらきらのポッドキャストで妙な放送が流された。毎週、火曜日の昼3時から、ジャーナリスト上杉隆が20分ほど喋るコーナーがあって、その妙な放送は、5月25日分のポッドキャストで配信された。ポッドキャストオンリーで聴いてる人は、何が話されたのか分からなかったか、または途中で聴くのを止めてしまったんじゃないだろうか?

まず、女性アナの声で以下のようなインフォーメンションがあった。
「いつもTBSラジオ小島慶子きらきらのポッドキャストをお聴きいただきありがとうございます。音声をアップする際の著作権上の理由により、この回のみポッドキャストの音声がが聴きずらくなっています。申し訳ございませんが、ご了承下さい。」

本編が始まると、音声にかぶせて、2小節のループエンドレス音楽がかなりなボリュームで流される。最初は聴いてみようと思っても、だんだん、何を言ってるのか分からなくなっていく。音楽がシンプル&無味乾燥、ドラムがビートを刻むたんびに、いらいらして思考停止になってくる感じがする。我慢して聴き続けるが、結局は内容を掴めないで終わった。

ポッドキャストのTBSサイトによれば
<JASRAC管理曲を乗せたまま収録してしまったため、著作権上ポッドキャスト配信しても問題のない楽曲改めてBGMにして配信した>ということらしいのだが、意味が分からない。

僕はたまたま生放送で聴き、ポッドキャストで何があったのか知らなかった。生放送では、普段と変わらなかったし、話にかぶって音楽が流れてたということはなかったと思う。(もし、バックに音楽が流れてたのなら、変なことをするもんだ、と気がついたはず、、、)

上杉は、記者クラブ問題をずっと取り上げ続け、一時はテレビから干されてしまった。キラキラで彼が何を話たのか。内閣機密費が新聞記者やジャーナリスト(テレビで活躍してる有名ジャーナリストやニュースキャスター)に渡ってたという、現在、裏メディアでは注目されながら、表メディア(東京新聞を除く大手新聞、テレビ)ではほぼ取り上げられないニュース。これ以上喋るな!と思っている人も多数いることでしょう。でもね、メディアが砂の上の城かもしれない、といった重大な問題だから、どうあがいても口封じは出来ないのです。

今回の件が、偶然なのか故意なのか不明だが、説明も妙だし、話題が話題だけに不信感は残る。これで思い出したことがあった。
昨年の3月に突然、打ち切られた人気番組<ストリーム>。<小島慶子のきらきら>の前の番組だ。コラムの花道という名物コーナーがあって、生放送で、メディア的にはかなりやばい内容までも扱っていた。番組、打ち切りが発表されると、抗議のメールやら電話やら殺到したらしいし、惜しむ声は多くのブログに書かれている。わけが分からんと思っていたが、最近のきらきらを聴いていると分かるような気がしてきた。コラムの花道の水曜日レギュラー、勝谷誠彦下ろしではなかったか。勝谷は、中国、韓国問題になると過剰に熱くなるし、やや懐古主義な感じは好きになれなかったものの、利権、談合、それに組するメディア批判では本当に正しいことを言ってる感じがしていた。メディア問題と関連して、公明党問題を時々扱っていた。しかし、公明党&創価学会問題はメディア的には何故かタブー。TBSラジオの場合、この時間帯のスポンサーでもある。勝谷がストリームで<P献金>の話をしてる部分が奇跡的にyoutubeに残ってた、面白すぎるので是非、聴いて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=l2gb_qOrdqc)石井一民主党議員が冬柴鉄三(当時、公明党衆議院議員で大臣)に質問して、冬柴が興奮して何を言ってるのか分からなくなってる様子も録音されている。
ストリームからキラキラに変わっても、番組コーナーの名前が同じだったり、映画評論家の町山智浩のように引き続き同じコーナーを受け持ったり、吉田豪、生島淳はしばらくして復活したし、小西克哉、辛酸なめこは荒川恭啓のデイキャッチに出演してる。出てないのは主なメンバーは、勝谷誠彦オンリー。

テレビ、新聞が信用できなくなって、TBSラジオはぎりぎり頑張っていたような気がしていた。しかし、いざとなったらこんなことをする、または疑いを払拭できない感じがいやな気分にさせる。テレビと違うラジオの使命。これを忘れたら、大手新聞、テレビ、その次にラジオ離れがもっと広がると思う。何故なら、テレビを見てるとアホになりそうで、だからラジオだと思ったら、そこでもアホになりそうになる、、、ああ、アホにはなりたくない!そんな気分になってきたラジオファンが言うのだから、狭い意味で正しいのです。
posted by joem at 22:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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